前回の人工心肺からの離脱の仕方 実践編の内容の理解度をさらに深めるための理論です。
しかし、必ずしも理解できなくても心臓麻酔はできますのでご安心を!
今回の目的は、臨床をしながら少しずつ理論も理解す助けになれば良いなと思い書いています。
理論を理解しておけば、複雑に絡み合った状況にも対応できるようになりますので、
眠くならない程度に説明をしたいと思います。
後負荷とは
後負荷とは、心臓が収縮した時の内腔圧と定義されます。
簡単に言えば、心臓が頑張って収縮して血液を送り出す時の、心臓が受ける抵抗ですね。
後負荷の主な構成要素
- 体血管抵抗 (SVR)
- 血管の弾力性
- 血液の粘度
このリストの中では最も計測しやすい要素が体血管抵抗である為、後負荷=体血管抵抗(SVR)としている教科書もあるほどです。
臨床の場ではSVRを血管作動薬で調整することが麻酔科医の役割となっていますので
後負荷=SVR
として代用して考えていただいて問題ないと思います。
血液の粘度は血管作動薬でSVRを上げても血圧が上がらない場合、輸血でヘマトクリットを上げると血圧が安定する現象などがあり時々、考慮しなくてはいけない場面はありますが、頻繁ではありません。
人工心肺直後やプレジア後には血液が希釈され血液の粘度が落ちます。
そんな時も後負荷は落ちるのです。
なんとなくイメージが湧くようになるだけでも大成功です!
後負荷は収縮力や前負荷の影響を受ける
収縮力が高まれば、その分、収縮期の内腔圧は上がります。
また、輸液を多くして前負荷を高めると心臓内部はより多くの血液で満たされますので
心臓の内腔圧は高まります。
つまり、前負荷、後負荷、収縮力、心拍数はお互いが影響しあって完全に切り出すことができない。
ただし、例外があって

人工心肺中に心臓が停止している時には純粋なSVRを麻酔科医が把握することが出来る唯一の機会なのです。

心臓が拍動し出すとSVRのベースラインに収縮力の要素が乗ってきたあとは、純粋なSVRは計測することは出来ません。
まとめ
少しイメージしにくいテーマでしたが、腑に落ちなくても今は大丈夫です。
臨床の経験を積んでいくに従い自然としっくりして来ます。
