人工心肺からの離脱では
後負荷→収縮力→心拍数→前負荷
の順番で調整することをパート1では説明しましたが、応用編として
目次
前負荷が足りない時
もちろん、輸血するがその答えですが、
無輸血手術を狙っている低侵襲心臓手術(MICS)の麻酔の場合には、少ない血液量で血圧を保つテクニックが必要になります。

先に結論を言いますが、
前負荷が充分にない場合には、他の要素である
- 後負荷
- 収縮力
- 心拍数
で血圧を安定させないといけませんので、
答えは 無輸血コンセプト
1.SVRのベースラインを上げておく
2.カテコラミンで収縮力を充分に上げておく
ということになります。
この無輸血コンセプトは人工心肺離脱後に大量出血が予想される術式には向かない
ハイポボレミア(少ない前負荷)でギリギリのコントロールを求められますが、
さらに出血すると麻酔科医は血圧のコントロールを失います。

このように、SVRのベースを下げておくと、人工心肺からの離脱でプラスαの血液量を体に溜めておくことができます。
収縮力が十分でない症例にはこの無輸血コンセプトは向かない
収縮力が十分でなければ、SVRを上げても血圧は保てません。
この場合には輸血をして、適切な前負荷を得る準備をしておくことが必要です。
また、少量の血管拡張薬を使う事で、循環血液総量を増やすことができますので、
収縮力が充分でなくても心拍出量を稼ぐことができます。
このコンセプトは今はクラシックと言われていますが、できるようにしておいた方がいいでしょう。
なぜクラシックといえば、血圧は安定しますが血液希釈で凝固因子が薄まりかなりの量のFFPが必要となるからです。
まとめ
このように心臓の状態を見極めて、適切なコンセプトを採用していくことが、
心臓麻酔医には常に要求されています。
